最終更新日:2025年1月5日
こちらでは、省エネ・省CO2に係る先導的な技術を用いた新築工事等を対象に【国土交通省】が交付している、【長期優良住宅化リフォーム推進事業】についての情報を公開しております。
長年住み続けた自宅に対し「築年数もそれなりとなり、劣化だけでなく省エネ性・耐震性も考えたら心配…」という方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。気になる事は多いけど、費用の事を考えると「心配するだけ」で止まってしまっているという方がほとんどのようですね。
そんな中、今回ご紹介する【長期優良住宅化リフォーム推進事業】の対象条件に当てはまるという方は、この支援金を使わない手はありません!
住宅関係の補助金は組み合わせによって、総受給金額が大きく変動することもございますので、詳細ご確認後はぜひプロのアドバイザーへのお問い合わせをお願い致します!
目次
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 詳細情報
※【長期優良住宅化リフォーム推進事業】は戸建住宅・共同住宅が対象となりますが、こちらページでは【戸建住宅】の内容をご紹介しております。
※2024.11.1 申請取り下げがありましたので「評価基準型」の交付申請受付が再開しております!
事業名称
長期優良住宅化リフォーム推進事業
管轄
国土交通省
(国立研究開発法人 建築研究所)
対象事業
要件
- リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、維持保全計画及びリフォームの履歴を作成すること
- リフォーム工事後に定められた下記性能基準を満たすこと。
- 性能項目のいずれかの【性能向上に資するリフォーム工事】【三世代同居対応改修工事】【子育て世帯向け改修工事】【防災性・レジリエンス性の向上改修工事】のうち一つ以上行うこと。
【性能基準について】
性能項目 | 概要 | 要否 |
構造躯体等の劣化対策 | 柱、床などの腐朽、蟻害の抑制 | 必須 |
耐震性 | 大地震でも倒壊しないよう耐震性の確保 | |
省エネルギー対策 | 窓や壁、床、天井などの断熱化 給湯器などの高効率化 |
|
維持管理・更新の容易性 | 給排水管を点検・清掃・補修交換しやすくする | 任意 |
高齢者等対策(共同住宅のみ) | バリアフリー化 | |
可変性(共同住宅のみ) | 将来の間取り変更等に対応しやすくする |
※認定長期優良住宅型を選択の場合は、任意項目部分も必須項目になります
【性能項目について】
工事の種類 | 工事詳細 | 工事内容例 |
性能向上リフォーム工事 |
省エネルギー対策 | 遮熱断熱サッシへの交換 高効率給湯器への交換 外皮の断熱工事 |
構造躯体等の劣化対策 | 床下の防腐・防蟻処理 外壁通気構造化工事 ユニットバスへの交換 床下防湿シートの設置 小屋裏換気口の設置工事 床下・小屋裏点検口の設置 |
|
耐震性 | 耐力壁の増設 金物補強 屋根の軽量化 |
|
維持管理・更新の容易性 | 給水・排水管の更新工事 | |
高齢者等対策(共同住宅のみ) | 共用廊下の幅員の確保 | |
可変性(共同住宅のみ) | 天井高さの確保 | |
その他性能向上工事 | 高断熱浴槽の設置 節水型トイレの設置 性能が向上する工事であっても、リフォーム後の性能が評価基準に満たない工事 評価基準に適合している状態からの交換工事のうち、性能向上する工事 |
|
インスペクションで指摘を受けた箇所の補修工事 | 外壁・屋根の塗装 外壁・屋根の張替 雨樋の交換 |
|
テレワークの環境整備改修工事 | 部屋を仕切る間仕切 壁や建具等の設置 環境設備の為の配線工事 |
|
バリアフリー改修工事 高齢期に備えた住まいへの改修工事 |
手すりの設置工事 床段差の解消工事 玄関スペースの拡大 未使用の部屋の別用途化 |
|
三世代同居対応改修工事 | キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事 | リフォーム後にいずれか2つ以上が 複数個所あること 住戸内で行き来ができること |
子育て世帯向け改修工事 | 子育てしやすい環境整備に資する改修工事 | 住宅内の事故防止 子どもの様子の見守り 不審者の侵入防止 災害への備え 親子がふれあえる空間づくり 子どもの成長を支える空間づくり 生活騒音への配慮 子育てに必要な収納の確保 家事負担の軽減 等 |
防災性・レジリエンス性の向上改修工事 | 自然災害に対応する改修工事 | 地震災害・台風(風災害)・水害・火災への備え 電力・水・防災備蓄のためのスペースの確保 等 |
住宅性能の基準の種類
- 評価基準【低】
認定基準には満たないが一定の性能確保が見込まれる水準
- 認定基準【高】
長期優良住宅(増改築)認定を取得するための基準
【基準の具体的な違い】
認定基準 | 評価基準 | ||
構造躯体等の劣化対策 |
木造 | 劣化対策等級3(既存住宅)に適合し、かつ構造に応じた基準に適合すること。 | 劣化対策等級2(既存住宅)を概ね満たすものであって、かつ構造に応じた基準に適合すること。 |
鉄骨造 | 劣化対策等級3(既存住宅)に適合し、かつ、構造に応じた基準に適合すること。 | 劣化対策等級2(既存住宅)を概ね満たすものであって、かつ、構造に応じた基準に適合すること。 | |
鉄筋コンクリート造 | 劣化対策等級3(既存住宅)に適合し、かつ、構造に応じた基準に適合すること。 | 劣化対策等級2(既存住宅)に適合し、かつ、構造に応じた基準に 適合すること。 | |
耐震性 |
木造 | 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準に適合すること、又は、 品確法に定める免震建築物であること。 | 耐震等級(倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準相当であること、又は、品確法に定 める免震建築物であること。 |
鉄骨造 | 耐震等級(倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準に適合すること、又は、品確法に定 める免震建築物であること。 | 耐震等級(倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準相当であること、又は、品確法に定 める免震建築物であること。 | |
鉄筋コンクリート造 | 耐震等級(倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準に適合すること、又は、品確法に定 める免震建築物であること。 | 耐震等級(倒壊等防止)等級1(既存住宅)の基準相当であること、又は、品確法に定 める免震建築物であること。 | |
省エネルギー対策 | – | 断熱等性能等級4(既存住宅)の基準に適合すること、又は、一次エネルギー消費量等級4(既存住宅)及び断熱等性能等級3(既存住宅) の基準に適合すること | 断熱等性能等級3(既存住宅) の基準、一次エネルギー消費量等級4(既存住宅)及び断熱等性能等級2(既存住宅) の基準、又は、これらに準じる基準に適合すること |
維持管理・更新の容易性 |
一戸建て | 維持管理対策等級3(専用配管)(既存住宅)に適合すること。 ただし、一部の基準については同等と認められる代替基準による適合を可とする。 ※ガス管に係るものを除く。 |
維持管理対策等級2(専用配管)(既存住宅)の一部等に適合すること。 ただし、一部の基準については同等と認められる代替基準による適合を可とする。 ※ガス管に係るものを除く |
共同住宅等 | 次に掲げる基準に適合すること。 ・維持管理対策等級3(専用配管)(既存住宅) ※ガス管に係るものを除く ・維持管理対策等級3(共用配管)(既存住宅) ※ガス管に係るものを除く ・更新対策等級3(共用排水管)(既存住宅) ただし、一部の基準については同等と認められる代替基準による適合を可とする。 |
次に掲げる基準の一部等に適合すること。 ・維持管理対策等級2(専用配管)(既存住宅) ※ガス管に係るものを除く ・維持管理対策等級2(共用配管)(既存住宅) ※ガス管に係るものを除く ・更新対策等級2(共用排水管)(既存住宅) ただし、一部の基準については同等と認められる代替基準による適合を可とする。 |
|
高齢者等対策(共同住宅等の場合) | – | 高齢者等配慮対策(共用部分)等級3(既存住宅)のうち一部の項目に適合するこ と。 | エレベーターの基準を除き、高齢者等配慮対策(共用部分)等級3(既存住宅)の うち一部の項目に適合すること。 |
可変性(共同住宅及び長屋の場合) | – | 次のいずれかに該当 (1) 躯体天井高さ※1=2,650 ㎜以上 (2) 居室天井高さ※2=2,400 ㎜以上 |
次の(1)又は(2)のいずれかに適合 (1) 現状よりも天井高さを低くしないこと (2) 次のいずれかに該当 ① 躯体天井高さ※1=2,650 ㎜以上 ② 居室天井高さ※2=2,400 ㎜以上 |
住戸面積の確保 | – | 次の(1)及び(2)に適合 (1) 少なくとも1の階の床面積(店舗等の住宅以外の用途の部分、および車庫は除く。以下(2)において同じ)が階段部分を除いて40㎡以上 ただし、階段の下部を便所等、居住スペースとして利用できる場合は、当該面積を階段部分の面積から除くことができる。 ※エレベーターは着床階において床面積に算入しない。 (2) 床面積の合計が下記に適合 〔戸建て住宅〕75㎡以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準) 〔共同住宅等〕 40㎡以上(1人世帯の都市居住型誘導居住面積水準) ※ 地域の実情を勘案して所管行政庁が戸建住宅については55㎡、共同住宅等に ついては40㎡を下回らない範囲内で別に面積を定める場合には、その面積。 |
次の(1)及び(2)に適合 (1) 少なくとも1の階の床面積(店舗等の住宅以外の用途の部分、および車庫は除 く。以下(2)において同じ)が階段部分を除いて40㎡以上 ただし、階段の下部を便所等、居住スペースとして利用できる場合は、当該居住 スペースの面積を、天井高さ 1.4m以上の範囲に限って、階段部分の面積から除 くことができる。 ※エレベーターは、着床階において床面積に算入しない。 (2) 床面積の合計が下記に適合 〔戸建て住宅〕55㎡以上(1人世帯の一般型誘導居住面積水準) 〔共同住宅等〕40㎡以上(1人世帯の都市居住型誘導居住面積水準) |
居住環境 | – | 地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること。 (詳細な基準は所管行政庁が定めているため、その内容を確認すること。) |
地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること。 |
維持保全計画の策定 | – | 維持保全の期間(30 年以上)について、次の(1)~(7)を維持保全計画として定めること。 (1) 次の部分について、その仕様に応じた点検項目及び時期が定められていること ① 構造耐力上主要な部分 ② 雨水浸入を防止する部分 ③ 給水・排水の設備 (2) (1)の点検は少なくとも 10 年ごとに実施すること (3) 点検の結果を踏まえ、必要に応じ調査、修繕又は改良を行うこと (4) 地震時及び台風時に臨時点検を実施すること (5) 劣化状況に応じて、維持保全の方法について見直しを行うこと (6) 計画の変更があった場合に、必要に応じて維持保全の方法を変更すること (7) 各性能項目において維持保全の強化や将来的な更新等を評価基準適合の条 件としている場合は、その具体的な内容 |
維持保全の期間(30 年以上)について、次の(1)~(8)を維持保全計画として定めること。 (1) 次の部分について、その仕様とリフォーム工事を行った内容に応じた点検項目 及び時期が定められていること ① 構造耐力上主要な部分 ② 雨水浸入を防止する部分 ③ 給水・排水の設備(補助対象とした設備を含む) (2) (1)の点検は少なくとも 10 年ごとに実施すること (3) インスペクションにより判明した劣化事象についてリフォーム時に補修を行わない 場合、劣化の状況に応じた当該部分の調査、修繕及び改良の時期・内容 (4) 点検の結果を踏まえ、必要に応じ調査、修繕又は改良を行うこと (5) 地震時及び台風時に臨時点検を実施すること (6) 劣化状況に応じて、維持保全の方法について見直しを行うこと (7) 計画の変更があった場合に、必要に応じて維持保全の方法を変更すること (8) 各性能項目において維持保全の強化や将来的な更新等を評価基準適合の条 件としている場合は、その具体的な内容 |
対象となる事業タイプ
- 評価基準型
性能項目のうち、劣化対策、耐震性、省エネルギー対策について評価基準に適合するもの
- 認定長期優良住宅型
所管行政庁から長期優良住宅(増改築)の認定を受けるもの
→全ての性能項目で認定基準に適合することが必要
補助額
評価基準型
最大 130万円/戸
※補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3の額が補助されます
※基本的な金額は80万円となりますが、「三世代同居対応改修工事を実施する」、「若者・子育て世帯が工事を実施する」、又は「既存住宅購入者が工事を実施する」場合は130万円となります。
認定長期優良住宅型
最大 210万円/戸
※補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3の額が補助されます
※基本的な金額は160万円となりますが、三「三世代同居対応改修工事を実施する」、「若者・子育て世帯が工事を実施する」、又は「既存住宅購入者が工事を実施する」場合は210万円となります。
申請時期
【住宅登録受付(通年申請タイプ)】
2024年4月15日(月)~ 2024年12月13日(金)
【交付申請受付(通年申請タイプ)】
2024年5月13日(月)~ 2024年12月23日(月)
→交付申請は、「評価基準型」、「認定長期優良住宅型」共に、令和7年1月31日(金)午後5時まで、受け付けています。(予算が無くなり次第、告知無く交付申請の受付を終了します。なお、予算の執行状況は支援室ホームページでご確認いただけます。)
引用:国立研究開発法人建築研究所公式ページ
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | まとめ
こちらでは今回、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の戸建住宅についてご紹介いたしましたが、金額は大きくもらえるものの、対象となる工事部分も多く、なかなか簡単に工事内容自体も決めることは難しいと言えるでしょう。
またリフォーム関係の補助金は、同じ国土交通省から【子育てエコホーム支援事業】なども打ち出されており、補助事業の内容もさることながら、重複申請ができないものもあるため、現在リフォームをお考えの方からすると「どの補助金を利用すべきかわからない」という点から判断はなかなか難しいといえるでしょう。
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